筑坂人vol.8小泉さん(国際バカロレアコース卒業生)

筑坂IBコースで学んでいる一年次生が、ディプロマを取得してIBコースを卒業した先輩方にインタビューした結果をお届けします。国語の授業の一環として、インタビューのポイントや記事のまとめ方を学んだ後、自ら取材の交渉を行い、それぞれ工夫して記事にまとめています。 

インタビューに協力してくださったのは、2~3期生の卒業生です

 国際バカロレアに興味のある中学生の皆さんだけでなく、課題の多さに悩む現役筑坂生にも参考になることでしょう。それでは、どうぞご覧ください。


 IB生活、楽しんで小泉佳穂さん

―自己紹介をお願いします。   

筑坂IB第3期生、小泉佳穂です。現在はカナダにある大学で犯罪学を専攻しています。  

―筑坂IBに入った理由を教えてください。  

一言でいうと「楽しそうだったから」です。また、他のIB校に比べても定員が少なく、少人数クラスであることにも魅力を感じました。他にも細かい動機は色々ありますが、大きな理由はこの二つです。  

―筑坂に入学する前まではどんなバックグラウンドを持っていましたか。  

日本で生まれ育ち、地元の公立小学校・中学校に通っていました。家族も私が知る限り、日本生まれ日本育ちです。  

―筑坂IBに入ってみて今までと違う感覚はしましたか。  

IBに限らず筑坂全体に対し感じたこととなりますが、生徒の自主性の高さに驚かされました。勉強へのやる気に限らず、生徒会などの活動も建前だけではなく実際に生徒主体で行っている。先生方による支えがあり実現されていることではありますが、生徒自身の平均的な意志の強さにすごく衝撃を受けました。  

―IBは大変でしたか。 

大変だったかと問われると否定はできませんが、個人的に健康第一をスローガンに掲げていたので、自分に鞭を入れ大変さを乗り越えるのではなく、如何に自身に大変と感じさせないか、を重視し工夫していました。例えば、CASやTheatre等IBの中でも特に好きなものを見つけることで、IBに取り組みつつも息抜きができるようにしていました。  

―課題などをつらいと思ったことはなかったですか。  

量に辟易したことはありますが、自分にあったやり方で取り組むこと、完璧より完遂を目指すこと、の二本柱で乗り越えられました。自分でテーマを決められる課題(EEやIAなど)では、興味のあるものを調査対象にし、楽しみながら行えるようにしていました。  

―日本の英語教育からIBの英語教育に変わり、ついていくのが大変だと感じたことはなかったですか。  

IBの英語教育では、単純に語彙や文法を暗記するのではなく、小説を読み解いたり、様々なシチュエーションを想定した文章(友達に宛てた手紙やスピーチの原稿など)を書いたりします。入学当初は少し不安もありましたが、日本の英語教育とは異なる授業体系が性に合っていたのか、大変さよりも楽しさを感じていました。 

―現在はカナダで生活しているとのことですが、IBが活かされているなと思うことはどんな時ですか。  

私の大学では、最終試験のスコアに応じて大学の単位をいくつか貰うことができ、卒業に必要な単位数や授業費を減らしてくれるのでありがたく感じています。また、自己管理スキル、リサーチスキルなど、IBで学んだ数々のことはどれも今の生活に大いに役立っています。  

―ディプロマ資格を取って海外の大学に入るためにIBコースを受講したのですか。  

結果的にはそうなりましたが、もともとIB入学時は海外進学の予定はありませんでした。IBを通し自分がやりたいことが明確化されたり、他のIB生が海外進学という道を示してくれたりした結果、だんだんと進路希望が海外に変わっていきました。  

―もし、IBを受講していなかったら現在は何をしていると思いますか。  

私は高校選択をする際、音楽高校と筑坂含むIB制度のある高校とで迷っていました。もしIBを選ばずに音楽高校に入学していたら、音大もしくは他の日本の大学に進学していたのではないかと思います。もしかしたら別の方向で留学を目指していたかもしれませんが、今とおなじ進路を辿っていた可能性は低いのではないかと思います。  

―もし、もう一度中学三年生に戻れるとしたら、どのような進路選択をしますか。  

過去に戻れたとしても、また筑坂のIBを目指すと思います。自身を成長させてくれたし、何より楽しい3年間を過ごさせてくれました。先生、他の筑坂生など周りの人にも恵まれ、今振り返っても良い進路選択をしたと思っています。  

―筑坂IB生にメッセージを!  

自分に合った勉強法やIBへの向き合い方等を見つけることが一番大切だと思います。できるだけ楽しみつつ、有意義な3年間を送ってください。応援しています!  

―インタビューをしてみて  

私はこの1年間、IBの準備期間として筑坂で過ごしてきました。まだIB生ではないのに今まででは考えられないほど忙しく、先輩方を見ても「大変そうだな」と感じ、来年からのIB生活に不安を感じていました。でも、今回のインタビューで大変だと思っていたIB生活も楽しむ方法があるんだなと思うことができました。EEやIAのトピックは自分の興味のある分野を選んだり、科目ごとの目標も自分に合ったものに設定したりすることで、IB生活の難易度を自分で決められます。もちろんIB生活は楽なものではないと思いますが、自分に合った課題への取り組み方を見つけて、残りの2年間をできるだけ楽しみたいと思います。 

(聞き手 杉浦透宇子)