筑坂人vol.11髙山さん(国際バカロレアコース卒業生)

筑坂IBコースで学んでいる一年次生が、ディプロマを取得してIBコースを卒業した先輩方にインタビューした結果をお届けします。国語の授業の一環として、インタビューのポイントや記事のまとめ方を学んだ後、自ら取材の交渉を行い、それぞれ工夫して記事にまとめています。 

インタビューに協力してくださったのは、2~3期生の卒業生です

 国際バカロレアに興味のある中学生の皆さんだけでなく、課題の多さに悩む現役筑坂生にも参考になることでしょう。それでは、どうぞご覧ください。


青春と成長と今 (高山玲来さん) 

 Q1, 早速なのですが、IBで学んでいた三年間の当時を振り返ってみてどうでしたか。IBの道のりを聞かせてください。 

 私は2023年春に卒業しているんですけど2023年が終わるころ、「あ、今年卒業したんだ」ってすごい思って、あんまり実感がなかったです。「卒業する」ということも実感が無かったですし、卒業した後に「卒業した」っていう実感もなかったです。 

家は兵庫県神戸市にあるのですが、親の仕事の都合で埼玉に自分だけが引っ越しして独り暮らしで高校に通っていたんですけど、一人暮らしっていう経験も濃かったですし、IBを学んだということも濃かったですし、日本の学校に初めて入るっていうのも濃かったので、結構自分の中では人生の中ですごく大きい部分だったなって思ってます。 

IBってすごい小さいグループで毎日授業を行っているので、それでみんなとすごい仲良くなったので、ある意味青春だなと思ってます。辛い思い出が多かったですけど、いい思い出でした。笑 

 Q2, 当時を振り返って自身の印象的な出来事や経験を表す言葉、またキーワードを三つ挙げていただきたいです。 

 「苦」という漢字と「青春」と、楽しい、でも楽が無いという意味も込めて「楽」ですかね。「苦」は文字通り苦い思い出もいっぱいあったりしますし、自分が分からないことに立ち向かわなきゃいけないっていうことがすごい苦しかったりしたので、そういう部分も含めてこの漢字にしました。 

「青春」は、勉強したり、私の場合、IBのメンバー六人と過ごす時間が青春だったのかなって、今振り返って思うと。あと、青春があったと感じる半面、実際はなかったので、ほんとに同期六人との思い出しか無くて、クラスとは交流がほぼ無かったので、卒業式のときとかに打ち上げ行ったり、それこそ七月にすぐ同窓会があったんですけど、そのときに、「あぁ、自分ってこんなに接してなかったし、接したらすごい楽しいじゃん」って思って、もったいないことしたなって後悔はしました。もともと私の高校生活コロナで始まったので、クラスとの交流が最初から遮断されちゃって、オンラインの授業とかでも、一緒になる授業が「産社」と「グローバルライフ」しかなくて、あと「体育」。それでやっぱり、あんまり一緒になるっていうことがなくて交流が少なかったなって思います。私は六人の中でもD組の友達と接していることが多くて、「体育」とかも友達と一緒に行ってたりしてたんですけど、それでも、D組一丸としてっていうのがほぼ無くて、文化祭もなかったし、体育祭も最終学年でできただけだったので、それも影響してたと思います。 

「楽」は、高校三年間、楽しかったのは事実で、やっぱりみんなと一緒にいられたのと、IBが取れたこととか、いろいろありました。だけど、ショートカットが無いのがIBだと思って、結局は二年やらなきゃいけないですし、全部の知識を入れておかないと最終試験に挑めないですし、そういう面では本当に「楽」が無いというか、長い道を乗り越えなきゃいけないなと思います。 

 Q3, 玲来先輩は、ハワイの大学に進学していますが、そこに居る今、IBがどのように影響していると思うかを教えてください。 

 アメリカの大学は単位の為にお金を払うのですけど、私の大学では、IBをやっていたらその単位を免除してくれる制度があったので、お金関係ではIBをやっていたことで大学にいい条件で入れたと思います。IBをやっていると12単位取れるので12単位分のお金が全部なくなったって感じです。私の大学の場合、一学期につき17単位取れるので約一学期分のお金が免除されました。笑 

 進路の面でもIBが大きく影響していると思うのですが、IBを受ける前と今で考え方とか社会の見方はどう変わったかっていうのもお聞きしたいです。 

 簡単な言葉じゃ表せないんですけど、やっぱり「歴史」で学んだこととかだと、例えば今、色んな戦争が起きているじゃないですか、それとかにも自分の意見がすごい大きくなったり、前は客観的にしか見てなかったものが主観的に見えたり、自分の意見が与えられるというか自分の意見を言えるような考えになったりしたのかなって思います。 

 Q4, 先輩は、DPを使って大学に進学していますが、日本にいた状態で海外の大学の情報収集はどのようにしたのかを聞かせてもらいたいです。 

 もともと、筑坂のある先生がハワイの大学出身だったんです。でもオンラインでハワイの大学の説明会があって、その時に今の大学の話を聞いて、見た目とか新しさとか奨学金的にもすごい良かったんです。筑坂の先生が行っていた大学も魅力的だったんですけど、そこはマンモス校で、先生と学生の割合が全然違うので、自分に適してるなって思ったのが、小規模な学校で先生と学生の距離が近い方だったので今の大学を受験しました。なので、筑坂の先生やオンライン説明会で情報を得ていました。 

 Q5, IBは自身の成長にどのように影響したと思いますか。 

 IBは自分で考えるとか、例えば自分でリサーチクエスチョンを立てるとか、自分で先生に聞きに行くとかそういう自主的な部分がすごい多いなって思って、それでやっぱり自立出来るようになったと思います。あとは、自分の自己責任っていうのも大きいなぁって思って、それって社会に出る時にすごい影響するので、自分で責任を負わなければならないっていうのが学べたのも一つ成長できた部分だと思います。 

 Q6, 最後に、IBで手にした強みは何ですか? 

将来のことを考えると、例えば、言葉選びとか、それこそTOKとかで裏を返すっていうか、一つの話題に関して議論していくっていうスキルは、すごいIBで身についたなって思います。あとは、大学の授業とかでも、「あれこれIBで習った」っていうのがすごく多くて、例えば数学が結構多くて、統計学とかはすごい出てきたし、あと生物とかも結構出てきたりします。あと私ハワイにいるので、真珠湾に行ったときとかは自分が学んだ知識が目の前にあるのが感動的でした。「あれ授業で習った」とか「これ授業で聞いたやつの原本だ!」とかすごい興奮しました。笑 

(聞き手 大森葉月 外山紅葉)